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別冊・詩と小説で描く「愛の世界」

不良老人の私が恵美ちゃんにしたこと。其の一

◇八畳一間◇
不良老人1-1
私の住む家の近くに、赤い電車の私鉄京急電鉄の“南太田駅”がある。
改札を出ると駅前に50年前から営業を続けているラーメン屋と喫茶店があるが、
その喫茶店でウェートレスをやっていた恵美ちゃんと、県道を横切る横断歩道で
信号待ちしている時に5年振りに再会したのだ。

3歳位の女の子の手を引き、1歳前と思える赤子を背負い日傘を差していた。
「あれ!恵美ちゃん、もうお母さんになってたんだ」
「あら、中谷さん、お元気でした?その節は色々お世話になりました・・・」
そう五年前のあの日、私が大腸がんで勃起不全になる前のあの日、
確かにお世話した記憶がよみがえってきた。

あの日は昼間から降り出した雨が夜になっても止まらなかった。
午後九時過ぎに書き上げた図面の感熱紙原稿をコピーする事と大封筒を買うために
激しく雨が降っている中を駅前のコンビニ目指して傘をさして外に出た。

私は目的のコンビニエンスストアに立ち寄って店内をぐるりと一巡しているうちに、
ドキンと胸が高鳴った。恵美ちゃんがいるではないか。私は声を掛けるのを躊躇った。
週刊誌のコーナーで、一人ぽつんと立ち読みしていたからである。

考えてみるとその日は第三月曜日、彼女の勤務先の喫茶店は定休日であった。
いつも薄紫色のワンピースの制服に白いエプロンをした清純そのものの恵美ちゃんが
女性の陰毛丸出しヌード写真やセックス体験記事がたくさん載っている週刊誌に
魂を奪われたように読みふけっていた。

私は大封筒を買うと、持参の感熱紙原稿をコピーする作業に移った。
コピーはコンビニの入り口付近に有、週刊誌は左側面に有ったから恵美ちゃんが
出て来ないと言うことはまだ読みふけっている証拠であった。
40枚ほどコピーした時に恵美ちゃんがコピー機の側を通りかかった。

「やあ、恵美ちゃん」
「あら中谷さん、コピーですか」
「そうだよ。恵美ちゃん、コピーはもうすぐ終わるから待っててくれないかい。
 どこか喫茶店でコーヒーでもご馳走しよう」
やがて私と恵美ちゃんはコンビニを出た。外はまだ雨が激しく人通りは少なかった。

「ねぇ、コーヒーくらいだったら喫茶店でお金使うことはないわよ。
 中谷さん、私のアパートに寄ってってよ」
職場である喫茶店では、常連客の私にことさらにつんつんした言葉を放つ
ウェートレスの恵美ちゃんとはまった別人のように愛想がいいのである。


不良老人1-2
「いいのかい。女性の一人暮らしのアパートに男を入れたりして」
「私だってもう大人よ。自分の行動には自分で責任を取るつもりよ」
私は、恵美ちゃんの気持ちが真面目な方に変わるのを恐れて話題を変えた。
「この間、横浜から電車で帰ってくる時、黄金町駅の近くで変な本屋さんを見つけたよ。
 《ほ・ん・だ・ら・け》と言うのだけどその商号の書き方がアメリカから来た玩具店の
 《といざらす》にそっくりなんだ。一瞬、あれ、こんなところに《といざらす》が
 出店したのかと思ったよ」
「ああ、あの古本屋さんね。私もおやっと思ったわ」

花がすっかり落ちた葉桜のプロムナードを大岡川沿いに歩いて、
恵美ちゃんの住んでいる木造の古いアパートの前に着いた。

恵美ちゃんは雨傘を畳んで、強く振って水を切った。
水滴が一直線に乾いた石畳の上に落下した。
「いいのかい」
「いいわよ。一度中谷さんに来て欲しいと思ってたところなの」

私はミニのワンピースの恵美ちゃんに連れられて、
ミシミシと音のする木造の階段を上がった。
私は二階の廊下を足音を忍ばせるようにして歩いた。

「此処なの」
恵美ちゃんは後ろを振り向いた。鍵を使ってドアを開けた。
中は八畳一間の狭い部屋だった。でも女性の部屋らしくきちんと整頓されていた。
布団を敷く為の空間がほんの僅か残っている畳に、恵美ちゃんは座布団を置いた。

「中谷さん、ここに座ってて。私は今からコーヒーを入れてあげるから。
 うちのはインスタントコーヒーだけど我慢してね」
水道の音やガスコンロの音、そしてその沸騰する音を聞きながら、部屋の中を見回す。
書棚にはキリスト教関係の本と文学書、食べ歩きの雑誌、服飾雑誌が並んでいた。
「お待たせ・・・」
恵美ちゃんは熱いコーヒーをお盆に乗せて運んできて私の前に座った。
座るとミニのワンピースから太腿が大きく露出した。
恵美ちゃんはそれを隠そうと裾を引っ張っている。
常盤貴子01
恵美ちゃんは、中々に巨乳でワンピースの胸が大きく盛り上がっている。
「やあ、ありがとう。こうして改めて恵美ちゃんをしみじみ見ると、
 案外にグラマーなんだね。脱いだら凄いんだろうなあ」
「中谷さんって嫌だわ。さっきからわたしのオッパイばかり見てるんだもの」
「嫌でも見えるんだから。仕方ないじゃないか」

「この間、中谷さんは、お店に居た中年女性となんだか意気投合しちゃって
 出て行ったけど、あれからどこに行ったの」
「家に連れて行ってハメハメしたのさ」
「えーっ!」
「しーっ声がでかい。男と女とが大人のつきあいって
 一体ハメハメ以外に何すると思っているの。映画観たり音楽会に行ったり、
 旅行したり色々楽しい事はあるけれど、究極はハメハメに尽きるんだよ。
 例えば旅行して宿に泊まってハメハメもしないで帰ってきたら、
 相手の女性を女として見ていなかった、と言うことに成るんじゃないか」

「えーっ。じゃあ、あの日、中谷さんはあの人とセックスしたの」
「したさ、最後のとどめはこの毒魔羅でズブリと刺してやったのさ」
「やだあ、毒魔羅だなんて言葉聞いただけで、蕁麻疹が出るわ」
「そんなことないさ。女性はとっても気持ちよくなって、
 一度経験したらまた欲しくなるのが毒魔羅さ」

「そんなに気持ち良いものなのかしら」
恵美ちゃんの目の色が変わった。
「おいおい今夜の恵美ちゃんは少し可笑しいぞ。恵美ちゃんは処女だろう。
 この不良老人の毒牙にかかってもいいのかい」
恵美ちゃんの目は何事かを決心したように光っていた。

「ねぇ中谷さん、私を抱いて」
「処女がそんなことを言っちゃいかん」
私はわざと立ち上がった。恵美ちゃんは、その私の足にしがみついてきた。
「中谷さん恥をかかせないで。こんな事言うのは大変な事なのよ」
「じゃあ、ここに布団を敷いてごらん。全てはそれからだね」

窓の外はまた雨が激しくなり、
まるでバケッの水をぶちまけたような凄い音を立てている。
遠くで雷鳴も聞こえていた。
  1. 2012/12/02(日) 11:52:11|
  2. 老いて益々
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