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別冊・詩と小説で描く「愛の世界」

はぐれ恋。其の一

◇縁の切れ目◇
はぐれ恋1-1
私は来年には古希を迎える男だが、10年前に離婚し、目下やもめ暮らしだ。
別れ話は妻の方から言い出された。
直接の原因は私に愛人がいるのがバレた事だったが、本当はその数年前から
妻が友人と始めたブティックが一応の成功を収め、自立できる自信がついたので、
私が定年になるのを機に別れる事を決心したという。三人の子供たちのうち二人は
独立して居たので、末っ子は妻が引き取った。

有名女子大卒で、頭が良くて何事にも私よりエネルギッシュ。以前から家庭には
納まりきれないところの有る妻だった。愛人問題を正面から詰め寄られては、
離婚に同意するしかなかった。
離婚の直後、愛人は結婚するからと言って、私から去っていった。今にして思うと、
彼女は不倫のスリルを楽しんでいて、家庭を失ったたそがれ老人には、
何の魅力も感じなくなったと言う所だろう。

幸い仕事は定年まで手掛けていた事業の関連会社から、取締役技術部長として
迎えられたので今でも現役で働いている。慣れてしまえばやもめ暮らしも、結構快適で、
掃除、洗濯、料理等なんでも一人でこなせる様になった。
そして何より自由ががある、酒を飲みに行くのも、好きな山登りも勝手気ままだ。

離婚したての頃は、淋しさを紛らわせる為に、毎晩の様に酒を飲んでいた。
自然と馴染みの店も何軒か出来、中でも私はスナック『S』に、一番良く通った。
『S』は女盛りの美人ママ、寛子(当時45歳、今は55歳か)と、
マスターとでやっていて厨房には和美さんという30代のお手伝いさんがいた。

小さなスナックだったが、結構繁盛していた。ママの客あしらいの巧さと、和美さんの
こぼれんばかりの笑顔が客の心を引き付けてやまなかったのだ。

私は10年通つて寛子ママを取り巻く人間関係が幾分か分かって来た。寛子ママは
元プロ歌手という肩書きがあり、某レコード会社から是までにシングルを5枚ほどを
出したがヒットに恵まれず今は専属契約も切れフリーで音楽活動をしていると言う。


はぐれ恋1-2
スナックではマスターと呼ばれる(マーちゃん)はマネジャー兼作曲家で時々
インディーズレーベルでCDを出しているとか。
ママとは客の居ない時などには奥の座敷でセックスをする間柄だが、
ママにはれっきとした亭主がいて、その男がなんともろくでもない男で、
暴力は振るう、働かない、金は持ち出す、そして永年の飲酒が
祟ってかチンポは役に立たずセックスは出来ないらしく、
其れゆえか自暴自棄に成っている男だと言う。
そんな状況でママの性欲を癒してやるのもマスターの役目なのだろうか。

マーちゃんの話によると、レコード歌手時代の寛子ママは、結構奔放な性生活を
送った女で、其の上ファザコンとも言える性癖があり、今23歳の長女と18歳の
次女の父親は別な男だと言う。興行先の助平興行主に手を付けられ妊娠したのを
「生まれる子に罪は無い」と言って子供二人を育てて来たのだという。

その娘達は今の父親を嫌っていて暴力を振るわれるごとに「別れちゃいなさいよ」
と言い、マーちゃんにも、間に入って「離婚させてくれ」と頼むそうだ。そんな話を
聞くと寛子ママは「人の良い、情の深い、セックスの好きな」女と見たのだが・・・。

寛子ママの黒目がちの濡れた瞳、柔らかそうなグラマーな肢体は特に唾涎もので、
客は十人が十人、彼女と寝たいばかりに通っていたと思う。
もちろん、私も其のうちの一人で、カウンターの横に座られ、仄かな香水の匂いと共に、
「いらっしゃい、うえちゃん」なんて囁かれようなものなら、忽ち肉棒は異変を起こし、
ムクムクと勃起した。因みに私の名は植松貞夫と言う。

恥ずかしい話だが、夜蒲団の中で、寛子ママのヨガリ声やアソコの具合なんかを
妄想しながらセンズリをかいた事は何度も有った。
私もまだ達観する歳では無いと思っているから、性欲が溜ると適当に女を買って
発散させていたが、他の女を抱くたびに、寛子ママと姦りたい気持ちは強くなるのだ。

いつかは思いを適えてやるぞ、そんな下心を持って、私は10年もスナック『S』に
通い続けたのだ。ところが、そんなチャンスは中々巡っては来なかった。
私に気のある素振りは見せるのだが、「食事でもどう?」と、それとなく誘っても、
「あら、嬉しい。でも、また今度ね」なのだ。

決して安くはない店だった。私は、どうせ寛子ママと寝られないのなら、
もう通うのはよそうと何度も決意した。しかし、三日もすると、彼女の顔が見たくなり、
声が聞きたくなって、店の扉を押しているのだった。
  1. 2012/08/28(火) 08:54:39|
  2. 未亡人の性
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