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別冊・詩と小説で描く「愛の世界」

見境もなく燃え上がる女の淫情。其の一

◇社交ダンスファン◇
伯母18
一昨年の秋、長女の益美が結婚したときは、
私ども夫婦は色々複雑な思いを味わったものでした。
益美は誰に似たのか昔から賢い子で、国立大学の理系を卒業すると
すぐIT企業に就職、そしてその五年後に職場で知り合った近藤久司(仮名)さんと
結婚するに至りました。

「本当に久司さんは良い方ですね。お父さん」
「うん、さすが益美だ。実に素晴らしい男性を掴まえて来た。
 しかしなァ、あちらのお宅とウチじゃあ、
 余りにもその何と言うか・・ま、格がちがうよなぁ」
「ええ、それは・・・」

久司さんは当時33歳、有能なシステムエンジニアで、
仕事の面でも人物の点でも申し分ない男性でした。
久司さんのような男性が娘婿になって呉れたのは、
私ども夫婦にとってこの上ない喜びでしたが、彼の実家と言うのが、
ウチとは経済的にも環境的にもかなりレベルの異なる家庭だったのです。

「オレはしがない個人タクシーの運転手。あちらのお父さんは、
 地方銀行の支店長ときたもんだ」
「個人タクシーのどこがいけないって言うの、お父さん。
 そんなこと言ったら、私だって何の取り柄もない普通の主婦。
 あちらのお母様は、料理学校を経営するやり手のキャリアウーマンじゃない。
 私とあちらのお母様とだって雲泥の差ですよ」

「バカ言え。オレはああいう女はいけすかねぇな。
 いやに気取ってやがって冷たいカンジがするぜ。
 キャリアウーマンだか何だか知らねえが、オレはおまえの方がずっといいよ」
「ふふっ、いやですよ、お父さんたら・・・。
 でもネ、格なんてことは気にしたってはじまりませんよ。
 お母様は確かにおたかくとまってるけど、
 お父様の方は気さくな方じゃありませんか。
 益美達だって、あちらと同居するわけじゃないし、私たちにしても、
 そんなに頻繁にあちらと会う訳じゃないんですから」

「それもそうだな。あちらはあちら、オレ達はオレ達ってことだよな」
「そうですよ。何も自分達を卑下することはありませんよ」
確かに私とてあちらのお宅との差は感じていました。
ウチの夫は高卒で、個人タクシーの運転手一筋で来た人です。


社交ダンス
片や近藤さんの父親・近藤隆治(仮名53歳)は地銀トップの○○銀行のY町支店長、
母親は都心に三つの料理学校を経営する料理コンサルタント・・・。
古い言い方ですが、嫌でも身分の違いと言うものを感じさせられました。

しかし、今時の若い人は余りそんなことは気にしていないようでした。
娘の益美も婚約者の久司さんも、殆ど二人だけで式の段取りやハネムーン、
新居を決め、サッサと手際よく結婚してしまいました。
あちらのお宅からも、取り立てて反対された様子はありませんでした。
(よかった。私もお父さんも心配したけれど、益美も幸せにやっているようだわ)

益美たちが結婚して、半年が経ちました。相変わらず共働きで頑張っている様でしたが、
たまに電話してきては、上手くやっているとの報告がありました。
「でもネ、お母さん。あちらの義母(おかあさん)には、ちょつと参ってるのよ。
 二、三日置きに訪ねて来ては、頼んでもいないのに、沢山の料理を持って来るの。
 私が働いているから、久司さんもロクなものを食べさせてもらってないんじゃないか、
 って嫌味言うのよ。それに、私に仕事を辞めろとも・・・」

「そうなの、でもネ、益美。あんまり、あちらの義母さまに逆らっちゃいけませんよ。
 腹が立っても、ハイハイって聞いてりゃいいの。あちらのお宅と波風が立つと困りますからね」
「うん、分かってるけど・・・。独り息子だから、久司さんの事が気に成るのも無理ないのよね。
 でも、シャクに触るわるのよ。お義父様(おとうさま)はとってもいい方なんだけどね」
「そう言えばお母さん、このあいだお義父様(おとうさま)にお会いしたわよ」
先日の出来事を、私は娘に話しました。

私は、以前から区民ホールで行われている社交ダンスのサークルに参加しているのですが、
そこでバッタリ近藤隆治さんに会ったのです。
「へーっ、あの義父さんが社交ダンスをねぇ」
「そうなのよ。地方銀行の支店長は地域の催し物に積極的に参加しなければいけないんだって。
 それに健康にもなるし、老後の楽しみのためにも入会したんだって」
「お義母さまは一緒じゃなかったの?」
「お独りだったわ。お義母さまは、専らゴルフとテニスが忙しいですって。
 ダンスには興味がないらしいわ」

この時は、まだ私は近藤隆治さんとああいう関係になろうとは夢にも思っていませんでした。
本当に、人間の運命とは何と予測のつかないものなのでしょう。
image13.jpg
超多忙な支店長と言う職にありながら、近藤隆治さんは月に一度は必ず、
区民ホールに通ってきました。なかなか筋も良く、押し出しも立派な近藤さんは、
たちまちシニアクラスの人気者となったのです。

社交ダンスのサークルは、圧倒的に女性上位です。
女性が四に対して、男性の割合は一くらいでしようか。
そんな中にあって近藤さんはパートナーとして引張りダコでした。

「優子さん・・・いや、優子さんなどとお呼びしたら、ご主人に叱られてしまいますかな。
 どうぞ、お相手をお願いいたします」
けれど、近藤さんは専ら私に声を掛けて来てくださいました。
親類であることの気遣いとは思いつつも、私も悪い気はしませんでした。

「いいわねぇ、平塚さんは近藤さんみたいなステキな方と親戚で。
 羨ましいわ、それに息もぴったりで、とてもお似合いよ」
ことあるごとにダンスの仲間に冷やかされるうちに、不思議なもので、
いままで何とも思って居なかった近藤さんに対して、私も妙に意識し始めました。

近藤も、心なしか私にとても気を使ってくれているようでした。
(これからは、さん付けでなく近藤とだけ呼ばせてもらいます)

「いつもステキなステップを拝見して有難う。貴女のリードが良いから、
 私も随分上達することが出来ました。お礼に、こんど食事でも如何でしょう?
 この近くに、美味しいステーキを食べさせる店を知っているのですが・・・」
「まぁ、本当ですか。私、お肉は大好物なんですよ」

ある日のことでした。午後のレッスンが終ると、近藤は私を食事に誘ってくれました。
其の日はちようど夫も組合の寄り合い、次女もデートで留守をしていましたので、
私は遠慮なくご馳走になることにしたのです。
  1. 2012/08/27(月) 16:41:56|
  2. 人妻の性欲
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